改善症例11:交通事故から十数年後の頚椎症

性別:男性
年代:30代
主訴:首がよく痛む。下を向くと首の下辺り
が痛い。寝ていても起きるといつも首が右を
向いていて、左肩が枕の上に乗っている感じ
になる。



先日来られた患者さんです。この方は15年
程前に居眠り運転が原因でフロントガラスに
頭をぶつけてガラスが割れてしまうほどの衝
撃の交通事故を起こしてしまったそうです。


その時は首はそれほど辛くなかったとのこと
ですが、ここ4〜5年くらい前から首がよく
痛み、特に下を向いた時に首下辺りが張ると
いうか痛くて下を向けない、とのことでした。


当院は「首の矯正」を専門にしているので、
頚椎症の方は多く来られますが、今回は交通
事故から十数年経っても頚椎症は生じること
をお伝えしたいと思います。


本当に交通事故の影響?

交通事故直後ではないので、「交通事故の影
響ではないのではないか?」と思われるかも
しれませんが、事故直後でなくても交通事故
の影響は後年になっても現れてきます。


それは事故でズレた「首」の骨は、ズレたま
まだからです。


それに加えて、年齢とともに筋肉の水分が失
われて筋肉が硬くなるからです。筋肉が硬く
なると筋肉で覆われている関節も硬くなりま
す。関節が硬くなるということは関節を支え
る靭帯も硬くなるということです。


こうした「加齢」による影響や日常生活の生活
習慣が相まり、人は皆、年齢とともに不調を来
たしやすくなるワケですが、交通事故に遭われ
た方はその影響がさらに強く出る傾向がありま
す。


交通事故に遭われた方は、若い頃は筋肉にも関
節にも柔軟性があるので、あまり影響が出ない
のですが、加齢によって筋肉や関節が硬くなっ
てくると、今まで隠れていたものが浮かび上が
るように、事故の影響が出やすくなってきます。


交通事故の影響が出るのは「首」

十数年前であっても事故の影響が最も出るのが
やはり「首」です。十数年前の事故であっても
「頚椎症」になるのです。


交通事故のような大きな衝撃の場合は頚椎の
「2番目(C2)」という上から2番目の骨がズ
レてしまっています。首を触ればそれが比較
的新しいズレか、古いズレかもわかります。


この2番目の頚椎は、日常生活でズレることは
ほとんどなく、頭をぶつけたり、スポーツなど
で頭を打つような転倒をしたり、といった大き
な衝撃を受けなければズレることはありません。


今回の方の場合も、左頚椎の2番目に加え、
3番と5番もズレていました。さらに右も4番
がズレており、相当大きな衝撃が加わったこと
がわかります。首はパンパンに張っていて、こ
の状態では下を向くのは辛いだろうという感じ
でした。


頚椎のズレを戻すと、先ほどの首の張りはだい
ぶ弱くなりましたが、首の筋肉(胸鎖乳突筋)
にはまだ神経的な張りが少し残っていました。
まだ2番目のズレが残っていたようでしたの
で、もう一度矯正し、胸鎖乳突筋を触ると先ほ
どのような痛みは消失しました。


しかし、まだ下を向いた時の張り感は残ってい
ます。

このような状態ですから、肩や背中もパンパン
で、肩甲骨に指が入らないほどです。首の痛み
があまりに辛いため、肩コリや背中の張りにま
で意識が行ってなかったようでしたが、こうし
たことも首を下に向けると痛い原因となってい
ます。


そこで、背骨(胸椎)のズレを取り、それから
筋肉を緩めるアプローチをしたところ、背骨も
かなりズレが生じていました。あれだけの衝撃
なので当たり前といえば当たり前ですが。


首に続いて背骨のズレも取り、筋肉、特に僧帽
筋といういわゆる肩コリの原因となる筋肉を緩
ませ、下を向けるようになったか確認してもら
うと、今度は下を向いても痛みはほとんどなく
なりました。


実は「脇の下」も張っている

この方は幸い、腕や指にしびれは出ませんでし
たが、腕はかなり硬く張っており、首から指へ
伝わる神経の通り道の「脇の下」も、ものすご
く硬く張ってしまっていました。本人に自覚は
なかったのですが、触られるとものすごく痛
く、「まさかそんなところが張っているとは」
と驚かれていました。


今は症状的に自覚されていませんが、こうした
首のズレから生じる脇の下の張りや肩と腕の付
け根の張りは、腕が挙らなくなる四十肩、五十
肩に近い症状の原因となります。


また、それだけ張ってしまっているということ
は指先にまできちんと血が流れていないという
ことでもありますので、頚椎のズレの角度が少
し変わった場合、しびれが強く出る原因にもな
ります。


そのため、普段自覚がなくてもしっかりケアす
る必要性があります。皆さんの脇の下の筋肉は
痛くないですか?


頚椎症は首痛以外の不調も現れます

頚椎症の場合、首痛以外にも「肩コリ」、「し
びれ」、「腰痛」、「頭痛」など様々な症状が
現れますが、この方の場合はあれだけ大きな事
故を起こしていても、幸いにも「腰痛」以外は
自覚はありませんでした。しかも腰痛もそれほ
ど辛いワケではなさそうでした。


ただ、体を触ると全体的にかなり張っています
ので、今はまだこの程度の症状で済んでいて
も、後々はもっと自覚症状として現れることは
かなりの確率で高いです。それは多くの方がそ
うだからです。


過去に交通事故に遭われた方で、その時から今
までに特に辛い症状に見舞われていなくても、
後年になってから症状として現れてくるケース
は本当に多いです。心当たりのある方は油断を
せずに、少しでも健康な状態をキープするため
に、こまめな体のケアをされることをオススメ
いたします。


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