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【ダイエット脳を鍛える方法12】コレステロールの真実(1)

こんにちは。品川区目黒駅前「薬剤師の整体院YAJIMA」の矢島です。

 

 

いつもブログをご覧いただき誠にありがとうございます。

 

 

 

前回の「ダイエット脳を鍛える方法11」では、n-3系(オメガ3)脂肪酸である「えごま油」、「しそ油」、「亜麻仁油」、魚の油の「EPA」、「DHA」を積極的に摂った方がいいですよ、というお話をしました。

 

 

これらの油は、中性脂肪を下げたり、アレルギー症状を改善したりする効果があると言われています。

 

 

さらに、EPAやDHAには「善玉コレステロールを増やす効果」もあると言われています。

 

 

と、ここで「コレステロール」という単語を聞くと、「コレステロールも摂らないようにしないと、病気にも繋がるし、太ってしまうのではないか?」というように、コレステロールに対して悪いイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?

 

 

 

実は、コレステロールは悪者ではなく、生体にとってとても大事な役割を担っているのです。

 

 

コレステロールは

・細胞膜の構成成分

・性ホルモン、成長ホルモンなどのホルモンの原料

・胆汁酸の原料

・ビタミンD前駆体(ビタミンDになる前の段階)の原料

など、多岐にわたる役割を担っています。

 

 

だからこそ、体内で合成される訳です。

 

 

また、コレステロールは脳、神経組織、肝臓などに広く存在していますが、血液中にも存在しており、全身を駆け巡っています。

 

 

ただ、コレステロールは「脂質」のため、そのままでは血液の中を駆け巡ることができません(血液は水分なので)。

 

 

そのため、外側が水となじむことができる性質の特殊なタンパク質の「リポタンパク」と結合して血液中を移動します。

 

 

(大塚製薬HPより画像引用)

 

このように、コレステロールは言ってみれば「カプセル」のようなものの中に入って体中を駆け巡るのです。

 

 

リポタンパク質は4種類ある

リポタンパク質はその大きさによって大きく4種類に分類され、一番大きいのが「カイロミクロン(キロミクロンともいう)」と呼ばれるリポタンパク質、その次に大きいのが超低密度リポタンパク質(Very Low Density Lipoprotein; VLDL)、その次が低密度リポタンパク質(Low Density Lipoprotein; LDL)、一番小さいのが高密度リポタンパク質(High Density Lipoprotein; HDL)となります。

 

 

 

(BIO SCIENCEより画像引用)

 

 

(役に立つ薬の情報〜専門薬学より画像引用)

 

 

【各リポタンパク質の役割】

カイロミクロン:大きさが一番大きく、比重が一番小さい。食事由来の脂質(主に中性脂肪)を小腸から肝臓に運ぶ

VLDL:カイロミクロンが肝臓で代謝を受けて、中性脂肪が多く含まれるVLDLとなり、中性脂肪を肝臓から組織や筋肉に運ぶ

LDL:VLDLから中性脂肪が分離されるため、コレステロール比率が高くなり、コレステロールを肝臓から末梢組織に運ぶ

HDL:肝臓で合成され、末梢組織から「古い」コレステロールを回収して再び肝臓に運ぶ

 

 

 

なんだかとても覚えにくい、聞き慣れない単語ばかりですが、これらのリポタンパク質のうち、皆さんも「LDL」や「HDL」という単語は目にしたり、耳にしたことがあるのではないでしょうか?

 

 

いわゆる「悪玉コレステロール」と呼ばれるのが「LDL」、「善玉コレステロール」と呼ばれるのが「HDL」です。

 

 

では、なぜそう呼ばれるのでしょうか?

 

 

主に肝臓で作られたコレステロールは、中性脂肪と一緒にVLDLというリポタンパク質として血液中を移動して全身の細胞に届けられますが、まずはエネルギーの元となる中性脂肪が先に多く使われます。

 

 

中性脂肪が使われて残ったリポタンパク質は、コレステロールが多く、密度が低くなるため、LDL(低密度リポタンパク質)と呼ばれ、全身の組織に肝臓で作られたコレステロールを届けます。

 

一方、全身の細胞から余った「古い」コレステロールを回収して肝臓に戻す働きをするリポタンパク質は、タンパク質成分が多いため密度が高いので、HDL(高密度リポタンパク質)と呼びます。

 

(NIKKEI STYLEより画像引用)

 

 

そして回収されたコレステロールは肝臓でリサイクルされ、一部は胆汁酸の材料にもなります。

 

 

このように、LDLの中にあるコレステロールがLDLコレステロール、HDLの中にあるのがHDLコレステロールということになるわけですが、LDLはコレステロールを末梢組織に運ぶ、つまり動脈硬化などを引き起こしやすいため「悪玉」と呼ばれます。

 

 

HDLはその末梢組織のコレステロールを再び肝臓に戻す、つまり動脈硬化などを防ぐため「善玉」と呼ばれます。

 

 

LDLコレステロールは本当に悪玉?

では、LDLコレステロールは本当に「悪玉」なのでしょうか?

 

 

答えは「悪玉はヒトが勝手につけた名称」と言わざるを得ません。

 

 

と言いますのも、LDLコレステロールの大きな役割は「肝臓で作られたコレステロールを末梢組織に運ぶ」ことですが、これは何のためかと言いますと「末梢組織の細胞が『細胞膜』を作る材料を運ぶため」な訳です。

 

(分子栄養学から画像引用)

 

 

細胞膜は

・細胞の内側と外側を仕切る(細胞の内部環境を一定に保つ)
・必要な物質の輸送を行う
・自己と非自己を区別する
・老廃物の排出
・細胞の外からの刺激に対して反応するタンパク質が存在する

などの役割を果たしています。

 

 

つまり、LDLコレステロールは人体にとって必要不可欠な働きをしており、末梢組織にコレステロールを運ぶからと言って、悪者ではないということです。

 

 

むしろ、末梢組織に肝臓で作られた「新しいコレステロール」を届ける大事な役割を担っています。

 

 

そして、今回お伝えしたように「LDLコレステロール」とはリポタンパク質の「LDL」に含まれている「コレステロール」のことであって、「LDL」はリポタンパク質のことでありコレステロール自体のことではありません。

 

 

LDL自体ではなくHDLとのバランスが大事

問題は、LDLとHDLの「バランス」だと思います。

 

 

臨床では、「LH比」という「LDLコレステロールの値をHDLコレステロールの値で割った比」というのが大事とされていまして、その比が「1.5以下」であれば正常、「2.5以上」だと血栓ができている可能性(心筋梗塞、脳梗塞の危険性)が強まる、というものです。

 

(オムロン「はじめよう!ヘルシーライフ」より画像引用)

 

 

「LH比=LDLコレステロール÷HDLコレステロール」なので、LDLコレステロールの値が高ければLH比も高くなりますし、HDLコレステロールの値が高ければLH比は低くなる、という関係性ですので、この比率を正常範囲に保つことが大事だと言えます。

 

 

そのため、「バランスを適正化するためにLDLコレステロールを下げる」という発想でLDLを下げることはいいと思いますが、「LDLは悪者だから下げないといけない!」と躍起になるのは違いますよ、というのが私の考えです。

 

 

だいぶ前置きが長くなってしまいましたが、次回はもう少し深く掘り下げて行きたいと思います。

 

 

 

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