こんにちは。品川区目黒駅前「薬剤師の整体院YAJIMA」の矢島です。
いつもブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
前回、ジェネリック医薬品についてさらに掘り下げてみました。
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さて、安いジェネリック医薬品の方が先発薬よりもいいと思うのですが、最近少し各方面から色々な話しが耳に入ってきます。
それは「ジェネリックは先発薬と効果が違うことがある」という話しです。
誤解のないように申し上げますが、全てではありませんし、気持ち的な要素も多分に入っていると思いますので、それらを踏まえてお読みください。
ジェネリックは先発品とは違う?
ジェネリックは先発薬と同じ成分を使用している訳ですから、違うなんてあり得ないのですが、厳密に言うと違うんです。
薬の錠剤を思い浮かべてください。
錠剤はその剤型を施すために「賦形剤(ふけいざい)」というデンプンや乳糖などで固められています。
この賦形剤は単に錠剤を形成するだけでなく、「胃で溶けやすいか?」、「腸で吸収されやすいか?」といった溶けやすさ、吸収しやすさなども担っています。
先発薬は色々なものを試し、その中で溶けやすく、吸収されやすい賦形剤を選んで商品として販売していますが、ジェネリック医薬品は各社ともその賦形剤を先発薬とは少し違うものを使って医薬品として販売しています。
例えは正しくないかもしれませんが、のり塩のポテトチップスの場合、コイケ◯とカル◯ーでは味が若干違います。
同じのり塩のポテトチップスでも会社によってのりの量や産地、塩の種類や量によって(じゃがいもは同じだとした場合)味が変わるのと同じように、先発薬とジェネリックでも同じ成分であっても賦形剤の種類によって溶けやすさや吸収しやすさが変わることもある訳です。
(基本的には各社とも血液中の薬の濃度は、先発薬と同じタイムコースを描くというデータを出していますので、「同じ」という認識です。)
そのため、「厳密に言えば同じではない」というのはそういうことなのです。
ジェネリックで先発薬と効果が違うことも
また、賦形剤の違いが影響しているのかどうかは定かではありませんが、あるジェネリックでは先発薬と効果が違うことが時々耳に入ってきます。
それが気持ちに作用する薬であれば「そういうこともあるかな」と思えるのですが、例えば血圧や血糖値といった数値で表されるものでも時々効果の違いが出ることがあるようです。
そう聞くと「じゃあジェネリックはダメなの?」と思われてしまいますが、そうではありません。
先発薬はたしかにデータの蓄積がありますが、ジェネリックはその問題を改良してよりいいものを提供することもできるからです。
例えば、先発薬で「苦い」という問題があった場合、ジェネリックではその苦味をマスクする工夫が取れますし、先発薬では錠剤しかなかった場合、ジェネリックでは水なしでも飲める剤型に変えることもできます。
ジェネリックは開発費にお金をかけなくて済む分、安く提供することができますが、先発薬に比べてデータをたくさん持ち合わせていないデメリットがあります。
ジェネリックは賦形剤の種類が先発薬とは違うため、まれに先発薬と効果が違うということが起きる事もありますが、先発薬では問題となっていることを改良しているものもあるというメリットもあります。
*上記のメリット、デメリットは一例です
どちらにもメリット、デメリットがある
先発薬でもジェネリックでもメリット、デメリットがあり、どちらを選ぶかはみなさん次第です。
しかし、国は安いというメリットを強調して、積極的にジェネリックを勧めるばかりで、ジェネリックのデメリットについては触れません。
薬局にも問題がありますが、ただ、デメリットを強調し過ぎて患者がジェネリックを選ばなくなったとしたら、それはそれで正しい情報提供ではありません。
非常に難しい問題ではありますが、みなさん自身がジェネリックのメリット、デメリットを知って、ご自身やご家族のお薬を選んでいただきたいと思います。
このブログが少しはその役に立てるとうれしいです。
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2014年12月12日 9:21 PM| カテゴリー::薬・医療