私が整体師になったワケ その13

整体師を選び、整体師の資格を取り、親、兄弟
からの反対を受けながらも何とか整体師として
の道を歩むことができることになったワケです
が、実際のところ、

「どこで経験を積もうか?」

と大変悩みました。



それは、整体の師匠のやり方に憧れ、そうなり
たいと思っていたのですが、そういうところは
他にはないことを知っていたからです。


かといって、師匠は一人でやられているスタイ
ルなので、いきなり「雇ってください」とお願
いするのも失礼ですし、師匠のところは「師匠
にやってもらいたい」という方が集まるワケな
ので、とてもお願いできる状況ではありません
でした。



そこで、師匠に

「どこかいいところはないでしょうか?」

と、ご相談に伺ったところ、


「資格があるなら、隣にベッドを置いて一緒
にやったらいいんじゃない?」

とこちらが拍子抜けするくらい、あっさり言っ
ていただきました。



その言葉を真に受けてしまった私は、実家の会
社を辞めた翌日から転がり込むように勝手に押
し掛け、そこから師匠に本格的に教えを請うこ
とになりました。


と言っても、師匠の予約は朝から晩まで目一杯
なので、なかなか手取り足取り教えていただく
ことはできません。



また、師匠は天才肌で、

「ここがこうなっているんだから、こうすれば
いいんじゃないか?」

と、どこがどうなっている、とか、だったらこ
う対処すればいい、とかそういうことが感覚的
にわかる方なので、それを口に出して表現する
ことが難しいのです。



反対に、私はそういう感性が乏しく、努力型な
ので、何度も何度も繰り返しやる中で

「あ、こういうことか!」

と自分自身の感覚に落とし込まないとなかなか
習得できないタイプなのです。



そのため、目で見て覚えて、それを家族や知人
に試して経験を積み、

「あれ?何か違うな?」

と感じたところをもう一度見て勉強し直す、
という繰り返しでした。



また、師匠が患者さんに向けて話している
ことを一字一句聞き漏らさないようにメモ
を取り、それを清書しながら頭に入れ直し
ていく、という作業も同時にやっていきま
した。



その間、教科書や解剖学の参考書を見ては
覚え直し、なぜその場所を施術するのかを
考えたり、わからないことを師匠に聞いた
りして、施術の仕方を学んでいきました。



ただ、あまりにも知らないことが多すぎて、
最初のうちは途方もない知識量に愕然とし、

「果たしてできるようになるのだろうか?」

と、不安と焦る気持ちに苛まされることばか
りでした。



「まだ始めたばかり、始めたばかり・・・」
と自分に言い聞かせながら、焦る気持ちを抑
えるのに必死でした。


今でもそのメモ帳は大切にしており、たまに
見直しては勉強しています。


それから、師匠のところには本当に色々な重
症患者さんがお見えになります。それこそ、
他ではなかなかお目にかかることのないよう
な症状の方もたくさんいらっしゃいます。


そうした方々に施術する光景を、幸いにも間近
で見させていただく機会が多くありました。



お陰さまで、そうした経験をたくさんさせてい
ただいたので、いつしか少しくらい重症な方が
来られても動ずることなく、頭の中で

「どこをどうすればいいか?」

というシミュレーションを立てることができる
ようになっていきました。



これは本当に貴重な経験でした。



もし、こういう経験をしていなかったら、

「どうやったらいいのか?」

と一人焦っていたでしょうし、それこそ開
業なんてできていなかったと思います。



師匠のところで学ばせていただいた経験は、他
の整体師の方が経験する倍以上のことだったと
思います。


今でも週一回、師匠のところで学ばせていただ
いてますが、この方なくては今の私は確実にい
なかったと断言できます。


師匠のレベルには遠く及びもしませんが、素晴
らしい技術と知識を惜しげもなく提供してくだ
さったことに心より御礼申し上げます。


ありがとうございます!



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