ダイエット脳を鍛える!その6「急激に血糖値を上げてはいけないのはなぜか?」

前回は「ダイエット脳を鍛える!その6」で「糖質と血糖値の関係」について概略をお話しました。

 

 

今回はその続きのお話になります。

 

 

よく「血糖値が上がりやすくなるからこの食べ物はダメ」だとか「血糖値が上がりにくい食べ物だから大丈夫」など、血糖値の上昇について議論されているのを耳にすると思いますが、「なぜ急激に血糖値を上げてはいけない」のでしょうか?

 

 

それは、「中性脂肪が溜まりやすくなるから」というのが答えになります。

 

 

食事を急いで食べたり、血糖値を上げるものを食べ過ぎたりして、血糖値が急激に上がってしまうと、血糖値を下げるためにインスリンもそれに呼応して大量に分泌されてしまいます(①)。

 

 

 

しかし、以前にもお話したように肝臓や筋肉はブドウ糖を入れるスペースが限られているため、インスリンを分泌して血液中のブドウ糖を肝臓や筋肉に持っていっても、「急にたくさん持ってきても処理できないよ」と断られてしまうことになります。

 

 

ちょっと漫画的な表現になりますが、血液中の大量のブドウ糖を出し入れしやすい「普通預金」の形で処理しきれなくなって困ったインスリンは、スペースに余裕のある脂肪細胞にお願いし、中性脂肪という引き出すのが面倒な「定期預金」の形に変えてでも、エネルギーを保管しておいてもらおうとします(②)。

 

 

さらに、インスリンが「これ以上血糖値が上がらないように!」と肝臓でのグリコーゲンの分解を抑えてブドウ糖にしないようにしたり、肝臓や脂肪細胞での中性脂肪の分解を抑えてエネルギーを溜め込む方向に持って行ってしまうので、余計に中性脂肪として溜まってしまうのです(②)。

 

 

実は、これが血糖値が急激に上がると一番やっかいなこと(中性脂肪が溜まりやすくなること)です。

 

 

では急激に血糖値が上がらなければどうなのでしょうか?

 

 

急激に上がらなければ、門脈から肝臓へのブドウ糖の輸送やインスリンが筋肉にブドウ糖を運ぶ作業も余裕を持って対処できます(③)。

 

 

そのため、肝臓は門脈からのブドウ糖を、筋肉はインスリンが運んできたブドウ糖を少しずつ空いているスペースに入れつつ、溜まっていたブドウ糖を少しずつエネルギーとして使うことができるようになります(③)。

 

 

言わば、ブドウ糖を「出しては入れ、出しては入れ」と落ち着いて処理することができるのです。

 

 

そのため、脂肪細胞にお願いしなくても肝臓と筋肉だけで処理できるので、中性脂肪として蓄えられずに済むというワケです(③)。

 

 

仕事でも、急にたくさんの量を「すぐに処理しろ!」と言われてもこなすのは難しいですが、少ない量ならば「すぐに処理しろ!」と言われてもこなしやすいのと同じことです。

 

 

また、急激に上がるということは、急激に下がるということでもあります。

 

 

この「急激に下がる」という時に「糖質が欲しい!」という欲求が増してしまうので、血糖値の急激な上がり下がりを繰り返すと、「糖質」に対する依存度が高くなり、「炭水化物(糖質)依存症」になりやすいのです。

 

 

実は、このメカニズムは麻薬や覚醒剤などを欲するのと同じ仕組みです。

 

 

一方、血糖値の上昇が緩やかだとブドウ糖が持続的に吸収されるため、血糖値をキープしやすく、「お腹が空いた」と感じにくくなります(④)。

 

 

つまり腹持ちがいいのです。

 

 

実際に、ゴルフボールよりも少し小さいくらいの大きさのおにぎりを、1つずつ2時間おきくらいに食べると、たったそれだけの量しか食べていないのに全くお腹は減りません(1日の量としては、わずかおにぎり1個分ちょっとくらいの量でも)。

 

 

つまり、血糖値が高くならないように一定に保つこと、血糖値が急激に上がりすぎないような食べ方、素材、内容がダイエットをする上ではとても大事なのです。

 

 

このように、血糖値の上昇と中性脂肪の蓄積には密接な関係性があるのです。

 

 

次回は血糖値を上げやすい食べ物の指標である「グリセミック・インデックス(GI)値」について少し触れたいと思います。

 

 

 

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ダイエット脳を鍛える!その5「血糖値が上がるとはどういうこと?」

前回、「ダイエット脳を鍛える!その4」で「中性脂肪としてエネルギーを蓄えるのはどうしてか?」ということについて説明しました。

 

では、「血糖値が上がることと中性脂肪が増えることにはどういう関係があるのか?」ということもご説明したいのですが、その前に「血糖値が上がる」とはどういうことかについて説明していきたいと思います。

 

 

「血糖値が上がる」というのは、「血液中のブドウ糖の濃度が高まる」ということです。

 

 

 

「ブドウ糖以外の糖質は血糖値を上げないのか?」ということについては、結論的に言えば「ブドウ糖以外の糖質は血糖値を上げない」と理解していただいて結構です。

 

 

 

 

ただし、果物に多く含まれている果糖も、体内でごく一部はブドウ糖に変換されるため血糖値を上げることができます。

 

 

 

 

しかし、その効果は非常に弱く、ほとんど上げないと考えてよいくらいです。

 

 

果糖の場合に問題となるのは血糖値を上げることではなく、それが肝臓で代謝されて中性脂肪になりやすいことです。

 

 

果物にはビタミン、ミネラル、酵素などの優れた栄養素も含まれているため、摂り過ぎなければ(例えば1日リンゴ3個とかミカン5個とかは食べ過ぎの範囲)非常にいい食材です。

 

 

また、ジュース類には「果糖ブドウ糖液糖」という形で含まれていますので、当たり前ですがジュースなどの清涼飲料水は血糖値を上げる代表例になります。

 

 

つまり、言い換えると、血糖値を下げるホルモンである「インスリン」を膵臓から分泌させるのは、ブドウ糖のみと言うことになります。

 

 

血糖値を下げるインスリンは、糖尿病にならないようにするのにとても重要です。

 

 

糖尿病は文字通り、「尿に糖が混じっている」ということですが、これ自体が問題になる訳ではなく、自覚もありません。

 

 

それよりも、「尿に糖が混じる」ほど「血液の中のブドウ糖の濃度が高い(血糖値が高い)」ということが問題なのです。

 

 

何が問題かと言いますと、皆さんも昔理科の実験などで「濃い砂糖水」を作ったことがあると思いますが、その時の液体の状態はとても粘度のある液体になったことを覚えているかと思います。

 

 

それが血液の中に流れている状態のため、血液がドロドロしています。

 

 

血管の中でも細い血管、いわゆる「毛細血管」と呼ばれる血管にも、このドロドロした血液が流れる訳ですから、血液の流れは悪くなる上に、血管も細いため血液が「目詰まり」してしまいます。

 

 

そのため、目、腎臓、手足(特に足)の先は毛細血管がとても多く集まっているので、それらの部位が目詰まりを起こし、血液が流れなくなり、細胞が壊死して「視神経障害」、「腎障害」、「四肢の末端神経障害」という「3大合併症」が引き起こされることが大問題なのです。

 

 

そのため、血糖値を下げる(インスリンの働きをよくする)ことがとても大事になってくる訳です。

 

 

しかし、インスリンはブドウ糖を中性脂肪に変換してしまう上に、中性脂肪の分解を抑えてしまうので、中性脂肪を溜める性質があります(なので、血糖値が高い人(糖尿病まで行ってない人)は太っている方が多いのです)。

*「糖尿病の方は逆に痩せている方が多いのは?」ということについては、後日改めてご説明します。ダイエットについても関わってくる話です。

 

 

また、血糖値が急激に上昇すると、インスリンが膵臓から大量に分泌されますし、その影響で膵臓にも過度の負荷をかけてしまうので、血糖値の急激な上昇は避けなければいけません。

 

 

これはダイエットにも関わってくることですので、次回はそのことについて解説したいと思います。

 

 

なお、インスリンはブドウ糖を筋肉や脂肪細胞といった細胞に送り込んで血糖値を下げることはできますが、ブドウ糖自体を分解する訳ではありませんのでご注意ください。

 

 

 

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ダイエット脳を鍛える!その4「中性脂肪としてエネルギーを貯めるのはなぜ?」

前回は、「ダイエット脳を鍛える!その3」で「なぜ炭水化物や糖質を摂り過ぎると太るのか?」ということについて説明しました。

 

 

今回は前回の記事にも記載しましたが、「なぜ糖質は中性脂肪に変えられてしまうのか?」についてもう少し捕捉の説明したいと思います。

 

 

結論から言いますと、「糖質の形でエネルギーを貯めるのは貯蔵効率が悪いから、貯蔵効率のいい中性脂肪に変える」のです。

 

 

糖質は最小単位のブドウ糖という形では貯蔵効率が悪いので、ブドウ糖が多数結合した「グリコーゲン」という多糖類として存在しています。

 

しかし、「グリコーゲン」は糖質の3倍もの水を抱え込んで存在するので、その状態でエネルギーを体の中に溜めると、体があまりにも重くなってしまいます。

 

 

例えば体に糖質10kg分のエネルギーを溜めようと思うと、水も一緒に溜め込んでしまうのでその3倍の30kgもの重さになってしまいます。

 

 

さらに、脂肪は1gで9kcalというエネルギーを作ることができますが、糖質は1gで4kcalなので同じエネルギーを作るには脂肪の2.25倍の重さが必要になります(9kcal/4kcal=2.25倍)。

しかし、エネルギーを収納できる場所(肝臓、筋肉や脂肪細胞など)の大きさは決まっています。

 

 

そこで、ブドウ糖がたくさん連なったグリコーゲンよりも小さいサイズで効率よくコンパクトにエネルギーを収納できるように、「中性脂肪」という形でエネルギーを蓄えようと進化していったのです。

 

 

中性脂肪は引き出し(消費)がすぐにはできない「定期預金」のようなもので、グリコーゲンは引き出し(消費)が楽にできる「普通預金」のようなものと捉えるとわかりやすいかもしれません。

 

 

中性脂肪は「ダイエット」という観点から見ると「天敵」になりますが、「生きるため」という観点から見ると「理に適った素晴らしいエネルギー貯蔵形態」と言えます。

 

 

そのため、中性脂肪を忌み嫌うのではなく、「無駄な」中性脂肪を失くすという視点でダイエットに取り組むことが大事だと思います。

 

 

次回は血糖値の上昇と中性脂肪の蓄積について解説したいと思います。

 

 

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