STAP細胞について一言

ここ数日、大変残念なニュースが世間を騒がせ
ております。それは皆様もご存知の「STAP細
胞」です。


このブログ内でもかなりの期待をこめて記事を
書きました。
iPS細胞を超える?世紀の大発見!STAP細胞


しかし、これが虚偽のデータである可能性が指
摘されています。これは相当に大変残念な出来
事です。現時点では、まだSTAP細胞があるのか
ないのかはわかりませんが、世界的権威のある
「Nature」という科学雑誌に、単純ミスで画
像を取り違えたり、画像に加工したりすること
自体、科学者としては絶対にあり得ないことで
す。


これはミスではありません。ミスでNatureに
掲載されるなんてあり得ません。なので、私が
指摘しているのは「STAP細胞があったか、な
かったか」ではなく、科学者として、しかも日
本が誇る最先端の研究所で、こんなことが「単
純ミス」ということで片付けられようとしてい
ることです。



論文に掲載されるまでの過程を簡単にいいます
と・・・

研究して成し得たデータをまとめる

そのデータであれば、どのくらいのランクの科
学雑誌に掲載できるかを指導教官や共著者らと
判断する(データにインパクトやトピックス性
があれば、それだけ権威の高い論文に掲載され
る→科学者としての地位が上がる)

その科学雑誌の掲載方法に準じた形式で論文を
書く

投稿する
(指導教官や共著者らがいれば、投稿する論文
のコピーやファイルを渡す(必ずしもそうでは
ありませんが、私のところはそうしてました)

レフリーという論文を審査する人(通常2〜3
名)から審査を受ける

レフリーの判断で「掲載可」、「質問に答えら
れれば、あるいは追加実験を行えば掲載可」、
「掲載不可」のジャッジを受ける

レフリーの質問に答えて、論文を修正し、再投
稿

掲載の許可が出たら、掲載される状態のその論
文に間違いがないか校正する

無事に掲載


大雑把に言ってもこれだけのステップがあり
ます。しかも、Natureクラスになるとレフ
リーの審査が厳しく、一度でも「掲載不可
(リジェクト)」とされたら、どんなに再実
験して問題を解決できたとしても、二度とそ
の論文はその雑誌に掲載できません。


Natureに論文が掲載されるということは、
相当に大変なことです。


そのため、「記述に間違いがないか?」、
「画像やグラフは間違ってないか?」、「グ
ラフと内容に不備はないか?」など、それは
それはとても慎重にことを運びます。そんな
ミスで「掲載不可」になんてなりたくないで
すから。


しかし、彼女はそれをやってしまった。誰に
でもミスはあるものなので、それは仕方ない
ことですけど、今回の「ミス」と呼ばれてい
るものは「STAP細胞が存在する」ことを証明
する、一番大事な肝の画像を取り違えたとい
うことです。そんなこと、あり得ませんよ。


Natureに掲載されたことが何度もあって、
多少ルーチンになっているくらいの実績豊富
な方ならまだ起こってもおかしくはないです
が(それでもそんなことはあり得ませんけど)
おそらく何度もないNatureクラスへの投稿
ともなれば、慎重に慎重を重ねます。


もし、そういうことができない人であれば、
Natureに投稿できるようなデータすら得ら
れないはずですから。Natureとは、それく
らいハードルが高いものなのです。


マスコミで発表されているコメントや状況は
正確な情報かどうかはわかりません。マスコミ
も偏った情報を提供する場合もありますし、
情報は誘導したり、操ることができますから。


しかし、Natureに掲載された「間違った」画
像というのは紛れもない「事実」です。この
ブログで問うてるのは、その一点のことです。
STAP細胞があるのかないのかは、まだこの時
点ではわかりませんが、科学者としてNature
に投稿するということはどういうことか、Ph.D.
も取り(博士ということです)、理研にいる人
がそれを知らないなんてことはあり得ません。


そこで画像を取り違えるなんてことは絶対に
ないです。断言できます。絶対にないです。
もし、いたとしたら、その時点でその人には
研究をやる資格はないです。というか、研究
という世界にいてはいけません。そこに悪意
があってもなくても、です。


私がこんなに強い口調で言うのは、今回の出
来事は多大に国益を損ねたからです。理研の、
日本の科学技術の信用と信頼に著しい傷を付
けたからです。


科学とはそういうものです。真実を追究する
学問です。「ない」ものを「ある」と言って
はいけない学問です。だから、誰しもが「あ
る」ということを証明するために、血眼に
なって探し続けるのです。


今回のニュースが、もし最悪の事実というこ
とになったとしたら・・・日本の歴史に残る
ほどの汚点です。


すみません、元研究者として今回のことは黙っ
ていられませんでした。個人の主観たっぷりの
記事ですので、どうぞご容赦ください。


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